1925年、いまから100年前、フランスの首都パリで、「現代産業装飾芸術国際博覧会(通称アール・デコ博覧会)」が開催されました。
アール・デコ博覧会では同時代に活躍したポール・ポワレ、ジャンヌ・ランバンら、当時最高のデザイナーが参画していました。彼らは、この時代特有の幾何学的で直線的なデザインや細やかな装飾が散りばめられたドレスを世に送り出しました。それは、古い慣習から解放され、活動的で自由な女性たちが好む新しく現代的なスタイルでした。こうした新しいスタイルのドレスを身にまとった女性たちは、軽いハンドバッグに小さな化粧品を忍ばせていました。その代表がコンパクトです。

ポストカード「ポール・ポワレの川船」 1925年 京都服飾文化研究財団
「カネボウ アンティークコンパクトコレクション」は、この時代のコンパクトを含む世界屈指のコレクションです。
三菱一号館美術館で開催された「アール・デコとモード」展には、その中から選りすぐりの16点が出品されました。
アール・デコの時代の最新のデザイン、素材、色彩が駆使された素晴らしいコンパクト。
来館者の方々は、パリの街を闊歩した女性たちのときめきを感じたことでしょう。
「阿佐美 淑子(三菱一号館美術館 主任学芸員)」
